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オキュラスリフトは色即是空

By 2019年6月25日 No Comments

ブースから離れるエスカレーター乗っていても衝撃で動悸と口が塞がらなくなっていた。

これは「あの色即是空や」そう悟りを開いてしまうほどに動転していた。

そのついさっきまで立てずに必死に机にしがみついていた。

このあと普通に仕事に、現実世界の生活に戻れるんかなと少し不安にもなったのを覚えている。

思い出すとやっぱり重要な気がするので思いつくままに書き記していく。

 

4,5年ほど前に東京国際フォーラムでアドテックのイベントに行ってその会場の外、受付よりも外にそのVRの体験ブースがあった。

聞くとスペースがあるので啓蒙活動の一貫で参加している。とのこと。

広告関連のイベントなので中は盛況だが、外のこのブースは閑散としていて、タイミング的に自分だけかあと1人2人いる程度だったので恐る恐る近づきつつもブース全体で迎えてくれた優しさがあった。

その当時から時々バラエティで芸人さんや有名なyoutube動画でみなVRをつけて尻餅ついて叫んでる映像をみていてこちらも楽しく、芸人さんはやっぱリアクションがオーバーやなあと思いながら見つついつか体験してみたいと思っていた。

一発目はたしか、不動産会社さんで使われてる内装3Dデータを利用してジェットコースターを作り、部屋の中をジェットコースターで縦横無尽に走り抜けるやつ。みなさん担当者が機器の目の部分を念入りに消毒したあとは、より没入感を増すために始まる前に後ろも確認させられた。うんしっかりどの角度も囲まれている。

急カーブでくるはずのGに備えて踏ん張るのに全くこないから足元フラフラ、立てなくなりそう、必死に目の前にあった机を両手で掴んでも倒れそう、芸人さんは嘘やなかった。「あかん。あかんやつやこれ。」知らない人らのまえで声出だす。

小学校の時の友達のおばちゃんがスーファミのマリオカートが酔うからできないという話が、Rボタンジャンプ連打で楽しんでいた自分には到底理解できず衝撃として記憶に残っているのだがそれを思い出し気持ちがやっとわかった気がする。

舐めてた。終わって機器を脱ぎ、運動神経の良い人ほど、仕事ができる人ほど影響を受けやすいとフォローをしてくださったが、少し汗ばんでいる自分とさっきまでまわりのブースの人たちがニタついてこちらをみている感じがあり、そのフォローが自分の取り乱し度を表しているようですこし恥ずかしくなった。

でも好奇心は抑えられないのでブースを回ってみることに、1個目を終え少しwelcome感が増している気もしつつ基本担当者の方で何かしら自分のブースのコンテンツに詳しく自身で開発してる人も多かった。

恐竜に追われた。まだ優しめやけど自分の何倍も大きさのあるものがずっとこっち追ってくるのは大変。

廃校でこっくりさんしたり。これはあかん。作った方は震災あとなくなった景色や思い出の場所を実現できると。その世界を作ったのは心温まる背景になる。それでもローソクだけで真っ暗な木の床板の校舎を歩いて、顔上げたら、後ろを向いたら目の前にゾンビや幽霊系のものがいるかもしれない、悪意によってこの世界にはそうプログラミングできてしまう。実際はこっくりさん終わって朝がきて終わるだけで裏切られることはなかったが、その当時の自分の不安とは今この文章を読んでる人が、その画面から目を離した瞬間に、おばけ、ゾンビ、しらないおっさんでもいい、その鼻があなたの右頬骨に触れてるようなあり得ない現象を現実世界で起きてしまっているかのように表現できてしまうのだ。

強調したいのは、もしそのような状況になったとして目の前に見える光景が嘘だと言い切れる根拠はあるか。ということ。VRのヘッドマウントをしている、慣れによって克服できる範疇なのかもしれないが、今私たちが現実目の前に見えている光景や事実を否定する難しさに近い。

他は3Dのアニメアイドルが目の前で踊ってるコンテンツ。自分のためにライブで踊ってくれる特等席が得られるという。当時すでに実写のアイドルでも実験が進められていた。ライブ映像、DVDの需要があって、そのどれもで体験し得ない表現がここにある。

オキュラスリフトのすごいところは、技術的にはとても簡単である。とのこと。特別で新しい複雑な技術ということではなく、今すでにある3Dデータさえあれば、右目と左目のようの映像出力をすれば良い。ととてもシンプルでわかりやすい説明をうけた。だから今どこかにある3D、ゲーム、映画の世界。などでも可能なのかもしれない。

次に3Dグラフィックとはちがって実写映像の体験をした。自分のリアクションを見てもらっていたのかヘッドホンはつけないでやりましょうと提案を受けた。カメラで360度を撮影した映像。

そこではサーフィンボードを乗りこなし、遥か数メートルの高さのジャンプをモトクロスバイクで観客に囲まれながら決めた。印象的だったのはジャンプしたあとに迫る地面を見てやはりGに備えてしまうところ。どうしても反応してしまう人間の反射能力を利用して、優れたアスリートの視点でみることができれば体や脳が勝手にものすごい学習するんじゃないかと思った。また今回はカメラで撮影しているので南極や北極などに設置していればいつでも瞬間移動したような気分を味わえるとのこと。アスリートのくだりの感想を伝えるとこの会社さんは実際にサッカーの一流プレイヤーを科学的に分析した特別番組でアスリートの視点役にカメラを提供したとのこと。(自分もその番組をみていた)その映像めっちゃ見てみたい。

でそのブース全体みなさんにも通じてあったのは機器を通じた除菌感染予防など、一方的な魅力の押し売りではなくてまだ人体へ理解されていない部分の影響などへ配慮があったこと。

ヘッドホンを外して体験するのを提案さえれた理由も臨場感がすごすぎて記憶が書き換わってしまうくらいの衝撃があるといわれたが、既視感に加えて体が反応してもうてるので、これに波の音や砂とバイクの音観客の歓声が聞こえていたら頷けるほどに臨場感があった。

オキュラスリフトの特徴に、先の技術的なハードルの低さの他に、機器も当時で3万円程度と手に入れやすい価格。なもんで開発者やコミュニティが一気に広がったとのこと。この経済圏、コミュニティを獲得したのであればfacebookがオキュラスリフトを2000億円で買ったのは安いくらいだ。という話になるほどと思っていたけれど、どうやらそれだけでなく、この没入感、臨場感は言い方を変えれば記憶すら書き換える力があって、以前にも少し触れた洗脳装置として見れば条件もこのうえなくとてつもないスペックの装置ともみれてしまう。

オンラインゲーム上で生きてる人もすでいれば、さきの恐竜に追われて困ってるシーンでものすごい大技の魔法で助けてくれる人がいたらめっちゃかっこよく見えるはず没頭してれば命の恩人とも思うだろう。ゲームと割り切れるかは慣れの問題かもしれないけれどすでにお金と時間をつぎ込んでる人がいる、臨場感からして今の人間世界では実現できない夢やパラレルワールドのレベルの世界で新しい世界ができあがっていくのかもしれない。

2次元好きな人が紙やディスプレイを隔ててみた相手が目の前に現れてしまう時代。さらにいえばエロがVHSやDVDネットの普及に寄与したと言われてるがまたすごい世界にいってしまうかもしれない。今まででさえ存在するのに現実世界より仮想空間の方が良いと感じる人は技術の進歩と過去の需要の多さから想像するは難くない。

そのイベントから年月がたち別の機会に体験したが当時ほどの驚きは得られなかった。クオリティーの問題かその後の3Dの規制、大衆向けに抑え気味にした影響なのかはわからない。

でも、現実のような記憶を書き換える可能性を感じさせる臨場感で、さらに現実では起こり得ないような世界、現実を超える世界に身を投じる可能性、ドット絵のゲームが遥かに進歩した昨今のゲームが存在するようにもっと技術的に進化していく可能性を当時感じた。そうなれば現実か仮想空間かの見分けがよりつかなくなるし、つかなくなることにこそ需要があるだろうし技術進歩は既定路線。そうなったときの現実世界の重要性とは、いやもしかするとこの現実世界もすでにそんな仮想空間と変わりない世界なのかもしれない。錯覚というものもあれば、理解や認識によって全く同じ景色も変わって見えるもの。

[色即是空(しきそくぜくう)とは、『般若心経』等にある言葉で、仏教の根本教理といわれる。「色」は、宇宙に存在するすべての形ある物質や現象を意味し、「空」は、恒常な実体がないという意味。空即是色と対をなす。「色即是空」の区切りは「色、即是、空」とされる。] wiki

不意に国際フォーラムの明るいガラスに囲まれた地上界へと向かうエスカレーターでこの考えが脳裏をよぎった。

仮想空間が現実世界のように思える超えうる可能性を前に、結局は脳内や知覚によってでしか世界を見れない体験をして、いや逆で現実世界そのものが仮想空間に含まれるのかもしれない。

最低限の食品をロボットが作ってくれて運んでくれれば、マトリックスのようなシーンが実現するのでは。

思いも寄らない好奇心で帰り際最後立ち寄ったブースで整理ができないほどの衝撃にこの後仕事や生活が普通にできるのか不安になるほどだった。ふわつきは移動中ですーぐなくなった。まさかかの有名な言葉を思い出すとは。おもてるより世界はあやふやなんかもなあ。