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ある日の高架下中古パソコン屋のおっちゃんとの会話

By 2017年12月20日No Comments

先日神戸の海の方へ行って用事が終わり、昼飯を食べに歩いていると駅と駅の間に来たので、

天気も良く散歩がてらそのまま何駅か歩いてみることにした。

中心地に近づき駅の高架下の店の様子を学生の頃と比べながら、面白そうなカフェやギャラリー、レコード屋や服屋、と時々シャッター。駅から離れると変わった店があったのを思い出しワープロショップやVHS専門店を横目に歩くも平日のひと気の少なさもあってか当時の輝きや怪しさは薄らいで見えた。同時にこのスペースが何が来るとおもろいやろうと想像しながら散歩を楽む。

そのうちに中古のパソコンショップがあったので、少し足を止めてみた。5万円以下で十分に動く最新パソコンがある中で、高架下の小さいスペースで何を売ってるんやろうと、時代に逆光した専門特化店を期待したが、どうもふた昔みっつ昔前くらいのもっさりとしたノートパソコンがそこそこの値段で売っていた。

専門特化店であった場合、サポートを終了しメーカーでさえ直さないものを取り扱う店もあるらしいと聞いていたのと、廉価なパソコンに興味があったので立ち見をしていた。すると店内からお店おっちゃんが自分がまじまじと見ているので出てきて。値札やパソコンに対して電気店やインターネットなどを見ない人向けの店なんかなという印象を抱き出していたころだったので。あぁまずいなあ。と思いながらも納得するまで棚を見ていた。

パソコンの良さや値ごろ感を進めて来てたけど内心「ほんまおもてゆうてんのかな。」とか思いながら聞き流し、あんまりお客さんの少ない時間帯に座っとけって言われたんかなあなんて思っていた。けど少しに気になって修理について訪ねてみた。

「あぁ、そのメーカーやもうやってへんわ!」と明るい声で返された。修理はここでは受け付けず、仲介でいつもメーカーに送るのだそう。なんやほな直接メーカーと連絡取れる人はここ使わへんのか、と思ったけどメーカーとのやりとりが一辺倒やったりこの手が苦手な人もいるので助かってる人も多いそう。話して見ると明るいおっちゃんなのだということはわかった。

ん。てかそのメーカーめっちゃCMやってた印象やけど、修理対応しないどころかもうパソコン事業撤退してたんや。これは世間の常識なんやろうけどしらなんだ。それにぱぱぱっと聞けば即答してくれるあたりただ座らされてるだけの人ちゃうな。

「え。もうやってへんのですか。」

「せやで。」

自分の眠っていたパソコンが直せない可能性が高いことを知たショックと、日本製品の窮地についても衝撃を受けた。そういえば最近液晶モニターを買おうとすると、価格と性能でいうと韓国中国勢が良かった。

並ぶ日本製品や質と顧客サポートを強みに出しているけれど、部品は結局みな中国か韓国のもの。なんとか戦える日本企業でさえ古くからの大企業の名前は無く、日本製品に質と量とで強みがみつけにくかったの話をおっちゃんに伝えると、

「日本のメーカーはあかん」と明るくて柔和な感じだったおっちゃんが少し憤りのような感情を込めたように言った。

お。と思いながら聞いてるとおっちゃんは修理体制についての例を話始めた。

内容や話し方はうろ覚え、敬語で話してくれてはったかも、

「日本のメーカーはもしパスワードなどを忘れたらなんもせーへんしできへん。

他の理由でパソコンが動かなかくなったり、中のデータだけ取り出したりバックアップをする時でも」

自分も心当たりがあったので、サポートとしてはそうする他ないよなあと思いながら聞いてると、

「中国ではメーカーが引き取ってパスワードがもしわからんかっても解読して開けるねん。」

ハッキングやらなんやら出来る限りの手段を尽くすらしい。

ほお。中国らしいな。正規の方法やなくてもそれでめっちゃ助かった人多いやろうな。

「日本のメーカーはそこで新しいのを買わすのがビジネスモデルになっとんねん。」

・・。ん。

なんかエッジきいてることゆうてる。おもてた話とちゃうぞ。

と思ってから、インターネット販売と大型量販店の戦い、ご高齢の知人で定年まで務め上げてかなり前に引退された大手家電メーカーの方が日々販売代理店や顧客との信頼構築や、社内の苦労や汗と水とまた接待や手紙を一枚一枚丁寧に書き上げ日本のサラリーマンが汗と水で一生懸命働いていた美談、いまや修理代でパソコンの最新モデルが変える。過去買った日本製パソコンで結局使わないアプリがいっぱい存在していたこと海外で暮らした時の日本製品の存在感、日本メーカーに就職できれば安泰で給料も高い。など様々なことが思い起こされた。

「中国はほんま合理的。」

揶揄してるのではなくて尊敬をしているのと同時に日本メーカーがそうでないことへの憤りが少し感じ取れた。

確かに。

ビジネスモデルにはいくつかの前提があって、ひと昔前は中国も大した競合になってなくてネットも対して普及してへんし、日本人も裕福で高いパソコン作ったら売れていた時代、その前提で成長した企業はその前提が崩れて来た時どうなるか、またその前提の無い海外で日本メーカーは強かったのか。どれもすでに結果が出てしまった現実をおっちゃんの一言とその後の話に突きつけられたようで「うっ」と詰まった。

この状況を変えられる人がいたとしたらちょっと優秀すぎるというか異常やな。

その前提の上で汗水垂らした年齢の人が今の企業の方向性を決めていて、囲まれているなら、めちゃめちゃ荒く考えると、自分の代はなんとかやり過ごして終わりたいか、若くは変えた責任や失敗のリスクを追うよりも、誰かに譲った方が楽だと考えるのが人間やないやろうか。

最近若い人が中国に行って書いた記事が注目されていておもろいなあとおもった箇所は。

クオリティがとても低いもので溢れていることとかつての日本もそうだったという話。海外に出て感じるクオリティの低さは「これ俺でもできるやん」と思えるのと、先の質の高さやビジネスモデルに成り立った日本も最初は闇市があったり、二股ソケットから始まった時代もあったんやもんなあと。

アジアの数カ国の人と会って、人数はそう多くないけど意外によく感じるのは、中国の人たちはすごく自由で自立していてとらわれていない印象を持つ。一党独裁というと強烈に単一の思想が刷り込まれてるのをイメージしてまうけど、むしろ他の国の人たちと比べてみてもむしろのびのびしてる印象。英語のできる若い人となると会う人のファッションに偏りも少なくマナーが良いし頭の回転も早い印象もある。

ミニオンみたいな人たちもいてそれはそれで本音で「生きてる!」感じ。

日本の経済を支えて来た世界的な日本企業が、実は合理的に強烈にショートカットをし続ける人たちを相手にしていること。イノベーションの震源地として中国の可能性を考えた。

このおっちゃんについては全く知らんけど、こんな人が指揮をとっていたら面白かったやろうなあと思いながら聞いていた。散歩の途中の立ち話について。

 

 

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