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口の軽すぎる新幹線のおっちゃん

By 2018年11月16日No Comments

もう何年前の話になるんか

あまりに口の軽いおっちゃんだったので、その時の話をするせっかく喋ってくれたおっちゃんにわるいなとおもってすぐ書くのはやめていた

いざ前回久しぶりに書いたブログの勢いで書こうとすると細かい描写などは色褪せまったく思い出せなくなってしまった。

今でこそネットやyoutubeでも常識的なことなものだし、一般的にそれとなく知っていたことではあったが

一応おもてにでるのはタブーな話かとおもっていた衝撃が当時はあった。

たしか社会人になってからなのは間違いない。

新大阪から東京まで夜の新幹線にのっていた時のこと。2人がけの席に座ってスマホをひたすら見ていた。

やたらテンション高めでいいスーツをきたおっちゃんが隣にいた。

テンション高そうと思ったのも、少しそわそわしていて

よくこちら側をちらちら見てくる。

「さいあくや、やっかいそう。」

もう興味全開で、「きみちょっと何見てんの」ばりに、

スマホまで覗きにくるような仕草。

スマホみてちょっと顔見て様子伺う感じの落ち着きのなさ。

もうこちらは話しかけられたくなくて不機嫌そうに、画面からもう一切目をはなさないようにしていた。

超絶集中して一心不乱に読んでる体でいこう。

実際にはもう横のおっちゃんが気になって一切スマホの文字は読めていない。

どうしよ。なんとかして興味のある内容みつけて読み進めな。

テンション高めの謎のおっちゃんと攻防戦がはじまっていた。

そんな葛藤も虚しく

他人という概念のなさそうなおっちゃんは笑顔で、

たしか最初は帰省なのかなにか、新幹線に乗った経緯を尋ねられたのだと記憶している。

確実にこちらに向けて声を発し、顔を向けてしまった。

楽しそうな笑顔を見ながら、改めて不機嫌そうにスマホをまた見て無視する気にもなれず会話が始まった。

知らない人に仕事を聞かれたり身の上を話すのはあまり居心地が良くない。

聞かれるなら答えろよと質問を返してから、すぐ答えてくれるしフェアな人だとはわかった。

内容も具体性が高くはぐらかさない。

年齢は50、60は超えてらしたと思う。

ある代議士の地元で秘書をやってる。

たしかそんな表現だったと思う。

党名を聞けばすぐ答えてくれるし、

1○回当選してる。ということも自慢をしていた。

地元の支持基盤で票を集めること。が表向きで、

実際の国政を担う政治家がその地元にいる時間もそう多いわけではなく、

その人が普段地元の企業や組織とのやりとりをしている。

お世話をしているというのか実権を握っているというのか書き手によって変わりそう。

○県(西日本エリア)から横浜へ向かっている時だそう。

ちなみに、とおっちゃんの方から1○回当選しているのはその党でもなかなかいない。

と説明を少し肩を寄せて自慢げに話をしていた。

誰でも知ってる政党で、かなりの重鎮の秘書(もしくは秘書に近い立場 )ということになる。

同等数の当選回数の政治家を例に出されると政治に興味のない人でも一度は聞いたことのある名前。

十回以上となると首相・大臣経験者とかがいてもおかしくないレベル。

政治に興味はなくてもレア人材と、1聞いたら10返してくれるその人に、すでにいろいろ聞いて見たくなっている自分がいた。

基本はおっちゃんが話していながらちょいちょい質問する感じ。

やりとりを詳しく覚えていないのが残念だけれども、

ちょいちょい見ず知らずのたまたま新幹線で相席になった人にそれゆうてええのみたいな内容で、

その描写や言い回しがかなり具体的で本当にその仕事をしてるのだろうと思えた。

もっと聞かせてもらうためにもいちいち大きなリアクションしそうになるのを堪えながら気になったところを深掘っていく。

「裏口入学や入社」について、世間では政治家本人でなくてもそのまわりのミスや不祥事でも連日テレビやマスコミに追われている、

口利きや政治の力加減については難しい話題かなあとおもいつつも聞いてみると。

「あるある。全然ある。そりゃぁそう。常識。」というような具合に食い気味で質問に全部答えてくれる。

言ったらあかんかったと我に返らないように、こいつになら言っても大丈夫ちゃうかと思われるように気遣って話をしていたが、

完全に杞憂。

たとえば、地方の人からすれば電気、水道、ガスなどインフラにまつわる企業は安泰の上に、

地元の仕事の中でもかなり給料が高い。

もちろん役所など公務員、行政機関などはいわずものがな。

そういうところに仕事の口利きをしてあげるとその人だけでなく家族や親族の票が手に入る。

村などは横の意識も強いのでそのまわりにも派生する。

なるほどなあ。そういう仕組みなのか。職場の口利きのメリットなどはわかったものの、

「どうやって就職までさせる仕組みがあるんですか?」と尋ねると、

今まで代々と家族、親戚と世話、またそれ以外の他人であってもお世話をしてきた彼らがその職場側で働いていて権限を持っていたり紹介ができるわけ。

裏口入学についておなじことがいえる。

それぞれの人を通じたものもあれば、談合のようにそれぞれ組織的に動くものもある。

ほえー。

これほんとはゆうたらあかんちゃうん。めっちゃ詳しく話してくれるやん。

何より一切のためらいがない。

自分が記者だったら書きたい放題やんけ。とかこの人はこれだけの経歴があってリスクを感じないんか。

などと何度も思うが、

・普段こういった事柄は常識中の常識で近しい記者もいちいち記事にしない、

・事件などとしてスクープを必死にメディアがアピールしているようで実は多くの無限に選べるストックから一般人が驚くように演出しているだけで、表になっているものは内容よりも表にした裏側が大事、

・これだけの政治の中枢にいる人からすればそ自分が公にしたとて政治の力ですぐもみけせる、

・実は何も考えていないようで、こちらがどんなにあがいても問題にならないレベルで話していない、

いやただそれだと自慢にあれやこれや、政治家を絞れてしまうような話までしないはず。

などなど思いをその都度めぐらせる程に、

あまりの口の軽さにただただ驚いていた。

横浜に近づいた。

どうやら今から横浜を一望するめちゃめちゃ良いところ滞在してるらしい。

で今から一人でその建物の上階にあるバーに行くんだと。

先から楽しくつづく自慢話に、このあたりから笑顔が消えたのが印象的だった。

あまりの変容に少し心配になってもしかしてこの話の続きの提案に話をふったのかと思ってしまったが、

いやそりゃたしかに見ず知らずの人と新幹線でたまたま隣になって夢中になって会話をしたが、そんなことはあるはずがない。

さっきまでの楽しそうな威勢は消え、よく見る街のおじさんと同じようなテンションで席を立って互いに簡単な別れを告げた。

社交的で話したがりでもあり実は寂しがりやでもあったんやろうなあと。

学校では教わらないような話とアンテナを立てて会話したので、

一人になった後も少しだけ興奮していた。

不正や癒着というものもやってる本人たちからすれば互いの望みを叶える。という単純なもので動いているということ。

悪びれる様子もなければそれだけ政治は目に見える政党のマニュフェストや国会討論だけを通じて戦っているわけではないんやなぁと。

自分が思っていたよりかは言われている理想ではなく原始的な欲求で世の中は動いてるんだなととても納得感を感じることができた。

カンボジアプノンペンのバイクタクシーの後ろに乗って街中を走っている時に

何かのお城かとおもってドライバーの肩から手を離し建物を指差してあれは何かと尋ねると返ってくる答えは漏れなく政府高官の家

程度の差は大きくあれど表になってるかなってないかの違い。おもっているよりかは身近な範囲でもあるんだなあと。

おっちゃんがいろいろ教えてくれたこと、世の中を見改めるきっかけをもらっこと、

自分にとっては衝撃的だった正直さに残り僅かとなった家路を感謝しながら辿った。

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